2014-12-05

エヴェレスト・チョモランマ・サガルマータ - the highest peak

ここ数週間、山の本を読んだ。Mt. Everest・チョモランマ・サガルマータに関するあれこれ。あ、あとK2もか。

そもそもの発端は、漫画版の「神々の山嶺」。
数年前に入手して何度か読み通してはいたものの、何故か急に読みたくなり。ちょうど出張と重なったこともあって、飛行機のシートベルト着用サインが消えてからの退屈な時間潰しにと漫画を機内に持ち込んだのが始まりだったと思う。ちなみに、その飛行機に乗った理由が、Juice=Juice松山と、たまたま日程が重なった松山での出張仕事だったのは我ながらラッキーでした。(確か、Boeing 737-800の機材で、機内WiFiを使ったのも羽田松山であったか。)

機内とかビジネスホテルで、漫画版を3回くらい読み返すうちに、原作というか小説版も読んでみたいなあ、と。そこでまずは集英社の文庫版を入手。
ところが、初出の単行本→文庫本の間に、ジョージ・マロリーの遺体が発見されるという事態が現実世界で起きたため、文庫本版ではラストで若干、編集の手を入れたとの旨が夢枕獏氏の後書きで知る。ちなみに、最初に読んだ漫画版とも、文庫版にはラストの描写に違いがある。そこで、初版の単行本をオークションで漁り…
(初版単行本・文庫本・漫画版のラストの違い=ネタバレについてを、そもそも書こうと思ったのだけれども、そのネタバレは次の機会にしたいと思う。いつか必ずネタバレをしますw)

次の本が、「空へ エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか」ジョン・クラカワー著、梅津正彦訳。1996年、エヴェレストにおける多量遭難死の話し。

ここまで、自分の心を掴んで離さないのは、高高度における人間の限界、空気が海上ゼロメートルの半分とか1/3とかの世界、そして低い気温と雪・氷・岩の世界。
自分も元山屋なので、登山は楽しいものだと思っていた。しかし、(7,000mを超える高度における)彼等の登攀と帰還は苦痛(海抜うんメートルに生きる我々には想像もつかない!)でしかない。人間に生存本能がなければ、歩くことを辞めて凍死という選択をしまいたくなる壮絶な世界。空気の薄さと気温の低さ。私は国内での3,000mくらいでの経験しか無いけども、それですら物凄いリアリティを感じた。

更にその次に読んだ本が、「K2 嵐の夏 The Endless Knot」(クルト・ディームベルガー著、梅津正彦訳)
エヴェレストから一転、地球上高度第2位のピークであるK2。こうした紀行文というか記録を書けると言うことは、そこから生還した者だけに許されることである。

雪と氷、風吹の描写は「K2の夏」が印象的だった。低酸素の話しでは「神々の山嶺」か。こうした極限状況における人間の行動については「空へ」。フィクションとノンフィクションの違いはあれど、やはり私の心を打ったのは「神々の山嶺」だった。

今の自分が、最高峰のエヴェレストはおろか、第二位のK2、いやいや、海外の高山のピークを踏めるとは思ってはいない。だがしかし、それらのピークをせめてこの目で生で見てみたいとは強く思う。

手垢が付きすぎてあまりに有名すぎる問答がある—
「あなたは何故エヴェレストに登りたいのか?」
--- Because it is there. (マロリー)

自分が山屋として現役だった頃、私はこううそぶいた。
---そんな質問をする人がいない世界に行きたいから。(「エヴェレスト」を一般的な「山」に置き換えて、所謂「あなたは何故山に登るのか?」の質問に置き換えて。)
でも、今ならばマロリーが言ったその言葉で応えられると思う。

Because it (the Everest) is there.
Because she is there.

何故ならば、推しメンがステージにいるからだ。

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