2016-12-04

ヲタ遠征の旅

このblogを始めた頃は、ヲタ遠征と言っても年に二、三回と言った頻度で、数年前までは大体同様の頻度だったと思う。遠征の定義も人それぞれで、千葉に住む自分にとってどこからが遠征なのか、自分自身良く分かっていない。一例としては、新幹線に乗るようなところは遠征だ、という基準がある。交通費を抑えるために敢えて鈍行で行く場合を除いて、通常ならば移動手段に新幹線を選ぶような土地でのコンサートやイベントに行く場合は、遠征である、みたいな。逆に、遅刻しそうとか座りたい等の理由で特急に乗る場合を除けば、特急列車利用の場合も含まれるかも?
ざっくり考えて、西の方面なら名古屋が一つの基準になろう。ヲタ遠征以外に仕事でも名古屋には何度も行っているので、あまり遠征感は感じられないけど、一般的な感覚では、東京から名古屋以遠は遠征でしょう。では、静岡は? 往復ひかりになるし、時間的には名古屋に行くのと感覚的にあまり変わらないし、静岡も遠征。北陸・上越方面で言えば、高崎・前橋辺りはやはり遠征という感覚は無い。遠出の感覚はあるけど、基本は普通列車のグリーン車ですね。自分は行ってないけど、以前長岡で娘。コンがあったが、長岡は遠征ですね。北陸方面の長野以遠も遠征。東北方面ならば、宇都宮あたりまでが遠出の感覚で、郡山まで行くと遠征の気分かなあ。電車では無くて自動車で行く場合、宇都宮だと下道往復も余裕だけど、郡山になると流石に高速に乗る。水戸も流石にちょい遠出気分か。それこそ実際には行ってないけど、ハロプロパーティーで原町(福島県)というのがあり、流石に原ノ町は遠征ですね。中央線/中央道方面では甲府が基準かな。上り最終列車の時間早いし。
10年くらい前だったか、熊谷なっちコンと同ツアーで、館山の南総何ちゃらホールというのにも行ったのだが、あれは…遠征だな。館山と言えば同県なんですが…。
それと感覚的に座間や横浜BAY HALLあたりも気分的に遠く感じる。

今年の下半期をざっくり思い返しても、滋賀・金沢・鹿児島・秋田・大阪・和歌山・甲府・長崎〜大分・金沢・松山・沖縄〜大阪…って、ええっ! 俺、何やってんの?(ちなみに全てJuice=Juice絡みです。)その半分くらいは飛行機、更にその内2/3くらいはLCCだったり、マイルを使ったりなので、思ったよりは交通費は高くないんですけどね。飛行機の他、残りは新幹線利用と、甲府は自動車で往復だったか。

そう考えると、往復の移動で、旅情的なものは希薄になりますね。LCCの、A320の狭い座席。飛行機好き(正確にはフライトシミュレータ好き)なので、さほど苦ではないけど、酒を飲みながら移動を楽しむ、という世界とは全く異なる。或いは、最終上り東海道新幹線ののぞみ64号も諸々旅情を感じさせるところはあるものの、それでもやはり、普通列車のグリーン車で帰る(通称・BAR GREEN、居酒屋グリーン)には及ばぬ。

そもそも、ハロプロのコンサートやイベントにおいて、飲酒しての入場は禁じられておる。そうなるとどうしても、当日入りの場合、行きの交通機関でそうそう飲むわけにはいかない。いや、多少は飲むのだが。
例えば、東京から名古屋だと約一時間四十分。大阪で二時間半。車内で飲むには名古屋は短い。大阪でも少し足りない。それならば岡山なら? …電車(新幹線)に乗っているのに飽きる(笑)。 やはり、必要なのは旅情だと思う。新幹線も飛行機も、旅情には程遠い。

その昔、高知の更に西に仕事で行くことがあって、行きは岡山まで新幹線で、岡山からは特急南風だった。東海道山陽新幹線から岡山で特急南風に乗り換えたわけだけど、この時は旅情に満ち溢れていた。チビチビ飲み食いしながら見た、—今でも忘れない、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を読み切った—大歩危小歩危の車窓風景。

移動の効率という面では、仕事の場合よりもヲタ遠征の時の方が重視している気がする。仕事での移動なら、時間的にも費用的にも無理のない範囲で移動することが許される(程度にはブラックな職場環境では無い。)が、個人の趣味であるヲタ遠征の場合は、その逆になることが多い。つまり、旅情とは更にかけ離れた行動を取りがちになる。

果たして、21世紀の今、旅情というものはどこに残っているのだろうか。やはり、鈍行列車か地方のバスか。
車窓風景をツマミに酒を飲む。それは贅沢なことになってしまった気がする。それを取り返せるのが、今のハロヲタの自分にとっては、その日のライブやイベントの反省会を車中でやる=飲むことなのだろう。— 同じ列車にハロメンが乗っていようと、いまいと。