鳥取砂丘
先日、鳥取へ行く機会があったので、鳥取砂丘へ寄ってみた。
鳥取砂丘の写真と言えば、土門拳を思い出す。
ぼくの場合は、まず遠いはるかな、広々とした風景を撮ることをやめてしまった。
この間も、有名な天然記念物でもある、鳥取大砂丘にいってみたが、35ミリのカメラに28ミリ・レンズをつけても問題にならない。つまり大砂丘のもつ魅力は目の前いっぱいに砂ばかりであるということである。そこで、ぼくは大砂丘のパノラマ的な全景写真を撮ることをやめてしまって、自分が立っている砂丘の足もとだけをねらうことにした。砂丘に埋もれた履きすてられたゲタ、砂丘だけにある特殊な草。
(中略)
それはともかく、アメリカの有名な風景写真家エドワード・ウェストンの作品を見ても、カリフォルニアの砂漠の中で写真を撮りながら、やはり砂漠のもつ雄大な広さというものの狙いを放棄しているのがよくわかる。
流石に俺如きが土門拳の「鳥取砂丘」(1955)へのオマージュ、と言うのはおこがましすぎるが、土門拳も言った、「大砂丘のパノラマ的な全景写真」を撮ることの難しさを実感した。奇しくも、持っていたカメラはRICOHのGR Digital II、35mmフルサイズ換算で焦点距離28mmのレンズである。
オマージュのような、一枚。
たまたま誰かが脱いで置いてあった女性もののサンダルを目にして、即座に土門拳の例の白黒写真が閃いた。そしてシャッターを切った。
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