病牀雑記(13)
失われたもの
ここいらでナンバリングと時系列を戻す。以降はリアルタイムでの雑記を目指し、過去の振り返りがあってもそれはあくまでも「今、過去を振り返っている」と言うことで。
今回は感覚にまつわる話。
オピオイドとアセトアミノフェンの二本立てで過ごすようになり、とりあえずはその状態が持続している。突発的な痛みが来ることもあるが、10〜20分程度安静にしていれば落ち着く。カロナールを投与して効き始めるまでも同程度の時間はかかるので、何とかこなせている。なのであまり変わりは無いと言えば変わりないのだが、できるだけ安静でいたいが為に活動量が落ちていることは自覚している。
今までも書いてきたが、カニュレを入れていることから呼気・吸気ともに、基本的には声帯から上部、つまり口から鼻を通ることは無い。その為に嗅覚が失われた。鼻詰まりで常にティッシュペーパーで鼻に栓をしている状態に近いだろうか。
それに加えて味覚も大分失われている。臭いが分からないのと、今は治まってきているが放射線治療の影響で口内〜舌がピリピリするような感覚である。
そして感覚とは違うが、飲食物を口から飲み込みにくいと言うこと。よって食事は鼻から食道に通した管を通して、流動性の栄養を摂取している状態である。
これらが転院前から失ったものであった。
そして年明け前後か、カロナールを投与し始めた頃からか、耳が詰まる感じがし始めた。耳がボワボワして音が聞こえにくい感覚。頭を傾けると内耳の奥の方で液体が動く感じがしたり、頭の向きで耳の閉塞感や聞こえが変わる感じがあった。
加齢の影響もあってか、あるいは元々から聴覚はあまり良くなかった。声が小さい人や、マスクをしていて発音を明瞭に聞き取り難い時などは日常会話でも難儀することも多かった。特にヒソヒソ声で大っぴらに話せないことを話される時は、実はあまりちゃんと聞き取れていなかったという。何度も聞き直すのが憚れる内容の時などは何となくの概要だけで、肝心のことは聞き取れていなかったりしたものである。
そうした状況に加えて聞こえが悪くなった。時間の経過と共に聞こえは悪くなっていくのを感じ、痛みが徐々に増えていくのとシンクロしているようにも思えた。元々良くは無かったとは言え、聴覚までとは…。
これは人とコミュニケーションを取る上で大きなストレスとなったし、日常生活でもかなりの不自由だ。例えばPCやスマホで動画を鑑賞するにしても、折角の個室ということを活かして、イヤホンやヘッドホンを使わずに内臓のスピーカーで音を出したいところだが、やはり聞こえが悪い。イヤホン/ヘッドホンを使った方が音は聞きやすい。
こうして少しずつ何かを削られ失われていく感覚もなかなかにしんどいものがありますね。
以下雑談。
ブログの更新をXの鍵垢の方で共有するようにしていたが、病気の経過を時系列で追うのは前回で大体終えたし、今後はその時々の思いやあれこれを書き連ねることになりそうなので、Xでの共有も以降は気分次第かな。
病牀雑記以外のこともなるべく書いていこうと思う。またXでの共有も鍵垢以外に表のアカウントでもして行こうか。鍵垢で共有したところで、このブログ自体は閲覧を許可された人以外に読めないわけではないし、ただ人目に留まりにくいというだけの話。
表アカでもブログ更新の共有をすれば、病気のこと、病牀雑記が目に留まることもあるだろう。病気のことを隠すつもりはないけど、公開するタイミングを逸した感が強く、どうしたものかと悩んでいたところではある。またその時の気分次第でどうなるか分からないが、いずれにしても暖かい目で見守っていただければと思います。
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